先日の記事で、NASAのJPL(ジェット推進研究所)がSTEM教育向け教材を提供していることを書いたが、日本のJAXAでも宇宙教育センターが作成した子供向けのプログラミング教材を公開している。宇宙教育センターは、プログラミング教材以外にも子供向けに科学が身近に感じられる教材を多数公開している。
プログラミング教材は、小学校でのプログラミング教育の開始に伴い2020年に作成され、ロケット編、はやぶさ2編、人工衛星編、地球観測編、HTV-X編の5つが公開されている。
https://edu.jaxa.jp/materialDB/contents/search/result.html#/kw=%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
ロケット編の説明資料は、
1.JAXAについて
2.ロケットについて
3.Scratchでロケット打上げゲームを作ろう!
で構成されている。
ロケットについては、ロケットの役割と、ロケットとプログラムの関係が簡単に説明されている。もう少し説明した方が、次のゲームの流れが理解できて良いと感じるが、そのあたりについては教師に任されているようである。
ロケット打ち上げゲームについては、地球からロケットが打ち上げられ、ロケットの第一段を切り離す高度、第二段を切り離す高度、フェアリングを切り離す高度でプレイヤーがタイミングを合わせてキー操作をすると、切り離しが成功し、最終的に背景が地球全体に切り替わり人工衛星が周回軌道を回り続けるという流れで進むものである。キー操作のタイミングが合わないと、人工衛星は周回軌道に投入されずに画面に「失敗」の文字が表示される。
プログラムについては配布されたScratch向けプログラムファイルをScratchで読み込むことで開始できるようになっている。ロケットゲーム用のオリジナルのロケットスプライトや人工衛星スプライト、地球背景が含まれており、ブロックを組み合わせるだけでプログラムを作成することができる。基本的に資料に沿ってブロックを配置していけばゲームができるように資料は作成されているが、なぜそうするか?などの細部の解説はなく授業の自由度が高いため教師が補足説明する必要があると考える。
学習指導案をみると、ロケット打ち上げについて学習しようという教材にしては説明が少し物足りない。また、ロケット打ち上げを題材としたゲームをプログラミングしようというには生徒に考えさせる場面が少ないと考える。
実際にこの教材をつかってゲームを作成させるには、最初にゲームの内容を伝え、そのために必要なスプライトの動作のフローや操作入力によるスプライトの反応を考えるといった、全体の流れを論理的に考えさせべきかと考える。その後、その論理を実現するための細部の実装を考えさせたほうが、子供にとってもScratchのブロックの配置についてよく理解できるのではないかと考える。
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