プログラミングスクールによるリスキリング

 最近、リスキリング(Re-skilling)という言葉がネット上で見る機会が増えてきた。リスキリングとは、経済産業省の審議会の資料によれば「新たにスキルを身につけること」と定義されている。HRペディアによれば「職業能力の再開発、再教育」とされている。現在注目されている背景と目的は経済産業省の審議会でリクルートワークス研究所 人事研究センター長 石原直子氏が発表した資料に、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と表現されている。

 AI/IoTに代表されるデジタルテクノロジーを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されていることや、政府が掲げている成長戦略の一つとしても注目されている。(日本経済新聞「成長シフトへ再教育 政府、制度拡充で30万人支援」

 そのような動きの中で、「リスキリング=プログラミングだ!!」のような反射神経を刺激するかのように、巷では社会人向けのプログラミングスクールが盛んになっていると聞く。しかも、著名なYouTuberも、「プログラミングは将来のために身につけておいた方がいいですよ。」とか言っているためか、ニーズは高いようである。

 実はプログラミングといっても幅が広い。Webやアプリのフロントエンドの用途とバックエンドの用途では細部が異なる。また、教育のゴールも様々である。小学生のようにプログラムの論理的な思考を身につけるのもプログラミング教育であるし、用途に応じたプログラミング言語の使い方を身につけることや、プログラミングを効率化するフレームワークの使い方を身につけるのもプログラミング教育である。

 「リスキリング」時代前まではプログラミング教育というと主に大学や、専門学校での教育がメインであった。しかし、大学の情報関係の学部・学科やソフトウェア系の専門学校以外の場合、あくまでカリキュラムの一つとして半年または1年間の講座としてコンピュータやソフトウェアに関する基礎や現状の知識をさらっと教えているだけであり、研究室等で本格的にプログラミング技術を利用、獲得している学生は少数派であると考える。

 以前、所属していた企業の新卒採用面接で面接官としてプログラミング経験の有無について質問をしていたが、経験があると回答した学生のほとんどが「授業でサWebサイトを構築した際にプログラミングをした」という回答をしていた。さらに授業以外でプログラミングした経験の有無を質問をすると、ほとんどの学生は未経験であり、まれにサークルのメンバー管理サイトやスケジュール調整用サイトを構築したという回答がある状況であった。

 「リスキリング」時代のプログラミング教育はどのようになるのであろうか。文科省の方針によって小中学生時点でのプログラミング教育の充実や高校、大学でのデータサイエンスの拡大が図られるので初学者の幅は広がると予想する。現在の社会人の教育としては、書籍やネットを活用した独学、UdemyやCourseraなどのオンライン教材の活用、講師やメンターによるプログラミングスクールなどの方法が考えられる。1番目の独学はコストが最もかからないが初学者にとってはプログラミング環境構築だけでも一苦労であり、理解できない内容があった場合にどのように解決すれば良いかが判断がつかずハードルが高い。2番目のオンライン教材は、コストも安く講師が順序立てて動画で説明わかりやすく説明しているため1番目よりはハードルが低いが、プログラミング環境構築のハードルは残る。3番目のプログラミングスクールは、内容が理解できない場合に質問できる体制が準備されており受講者が困らないようになっているが、学費の相場感としては、HTML,CSSの3ヶ月教育であっても20万円〜70万円と非常に高額である。どの方法でも自分のベースにあった方法を選べば良いと考えるが、懸念点としては、どの方法も教育を受講するだけで企業にとっての即戦力となる人材になるというわけではないということである。特に、プログラミングスクールの中には「受講すると転職できます」(いくつかの規定があるらしいが・・)という内容を特徴にしているスクールもあるが、私は思い通りに転職できるか、転職後に活躍できるかは受講内容をいかに業務に活かすかという努力に懸かってると考える。

 私も一時期、プログラミングスクールにてpythonによるAI/機械学習入門のメンターとして従事していたことがあったが、その際に、受講生から、「この内容を受講終われば企業でAIエンジニアとして活躍できるんですよね」と言われて回答に困ったことがあった。講座自体は市販されている書籍にある機械学習で何ができるか紹介されている代表的・簡単なpythonのコード例を一通りpythonで動作させてみるというものであった。したがって、その講座を受講完了したからといって、企業側の開発現場の担当者としては「はい採用!!」とは言いにくいと常々思っていたからだ。ましてや、アルゴリズムもプログラムの基本的な内容も理解できておらず、単純に書籍の内容通りにコードを打ち込んだだけで動作しないと質問してくる受講生に直面した際には、ビジネスとはいえ、このプログラミング講座の受講を認めることは受講生本人にとってプラスになるのだろうか?と疑問を感じた。

 教育全般に言えることであるが、教育を受けたことによって全てがうまくいくわけではなく、それを応用し自らがスキルを高めるという努力を継続することが重要であると私は考えている。義務教育は、受けさせる、受けることに意味があったが、社会人になってからの「リスキリング」は「何のために」(目的・目標)、「どう活用したか(するか)」(目標評価)が大切である。

 結論としては、プログラミングに関するリスキリングに関する要は、受講者一人ひとりが自分の業務にてどのようにデジタルを活用するかということを考え、教育がその業務に活かす意識を持って教育に臨めるかということである。

2018年は真の「AI元年」になるか?

新しい年2018年を迎えた。

昨年2017年は、2016年から本格的に始まったAIブームが続き、ベンチャーだけでなく、大企業でもAI研究やAIベンチャーへの投資、買収の取り組みが始まり、遅れていた日本でもようやくAIビジネスが立ち上がる様子を見せた年であった。

研究の面では、日本は一周遅れ(実際は更に遅れが広がりつつあると思う)と言われているが、AIビジネスの面ではどうであろうか。

以前以下にも記述したように、ゼロ金利によるビジネス構造の変化や少子高齢化に伴う労働人口減少を補う形で銀行・保険業界では効率化を目的にAIを導入開始つつある。AIがどこまで使えるのかという話は別の機会に書くとして、AIが普及するということについて考えたい。

私は個人的には、AIの普及は、インターネットの普及以来の大変革を起こすと考えている。技術面でのインターネットの普及とのアナロジーでは、以下の通りと考えるが、普及のキーポイントは、キラーコンテンツ(キラーサービス)の登場だと考える。また、インターネットとの違いは、インターネット自体は我々の前に登場した時点ではそれを支えるネットワーク技術は大方完成しており、普及への技術課題は通信速度であったのに対し、AIはまだまだ研究途上であり進化の可能性が見込まれているに過ぎない技術であり、普及に際してはその精度向上が期待されるという点がある。

<インターネット>            <AI>

wwwの発明      → 深層学習の発明

様々なブラウザ普及     → CNN、RNNなどの普及

Webサーバ技術の普及 → Tensorflow,Chainerなどフレームワークの普及

キラーコンテンツ    → ??

 

しかし、i-modeや写メール、Amazon、Googleのように一旦キラーコンテンツ(サービス)が出てきて、一般に普及が始まると加速度的に普及し我々の生活をあっという間に変革してしまうのではないかと考える。

上にあげたサービスの内、最初の2つは主に日本ローカルの携帯電話+キャリアビジネスというハードに依存したビジネスであり、後者の2つは完全にアプリケーションだけによるサービスであるが、グローバルの広がりという意味では、いわずもがな後者が圧倒している。私もAIも同様の傾向があるのではないかと考えている、直近では、AI技術が普及する可能性があるキラーサービスとしては自律運転自動車とAIスピーカーが挙げられるが、これらはいずれもハードウェアに依存するコンテンツであり、それぞれのシステムの要件に依存するため、よほどの差別化ポイントがないかぎり乗り換えが難しく、いきなり席巻とまではいかないのではないかと考える。

個人的な希望としては、ウェアラブルデバイスと相性が良い、パーソナルヘルスケアに関するキラーサービスで世の中に普及して欲しいと考える。ウェアブルデバイスで計測したデータを専門家が学習・解析・分析し、デバイス単体で動作するAIアルゴリズムを開発しデバイスに配信することでデバイスローカルで個人の健康状態を判断することができるようになれば、リアルタイムで個人を特定することなく健康状態が判断できるため予防医学を幅広く実施可能となるとともに、深刻な状況の発生を予見できるようになるのではないかと期待する。

国内のベンチャー的には、インターネットの黎明期にはHP作成やCGI作成の費用がページ単価数十万円したり、簡単なメルマガサービスを立ち上げるベンチャーが株式上場をしたなどのように、現時点のAIベンチャーにおいても、ビジネスの成長期にあると考えられる。ただし、5年後にそのビジネスのバリューが上がるかどうかが長期の成長の鍵であり、そのためにもキラーサービスをいち早く開発したベンチャーが生き残るのではないかと考える。

 

ついに始まったAIとの競争

AI競争 揺らぐか「IT大手優位」 
カギ握る3つの問題

【Wired記事より】AIの進化を前に、日本企業は「働き方」を問うているだけでは未来はつくれない

2017/8/7のWIREDのWeb版に掲題の記事が掲載されました。今後のAIの開発・導入とそのような社会の構築に対し、非常に重要な点を指摘していると考えますので要点を抜粋し以下に示します。。

https://wired.jp/2017/08/07/cic-future-of-work/

冒頭のコメントより

「5〜10年以内に全ての業界において株価は崩壊し、経営陣は刷新される──。日本を代表する企業の首脳たちが集まった円卓で、カーネギーメロン大学教授ヴィヴェク・ワファが伝えた言葉は、いまぼくらが直面する「人工知能」との共生について、大きな示唆を与えてくれるものだ。3つのポイントから読み解く。」

1.AIは日本型雇用システムにいかなるインパクトを与えるか

ワファが指摘するのは、産業構造のディスラプションとテクノロジーによるリスクが、かくも十分に考慮されていない現状だ。

「AIによってもたらされる問題をとらえるとき、失業は問題全体の5パーセント程度でしかありません。もっと大きな問題があることを知ってほしい。スタートアップの企業が大手を食うといったことも起き始めているように、テクノロジーが企業だけでなく産業そのものを消滅させるかもしれないのです。だが、それに向けて準備を整えている企業は、ここにおられる企業を含めて日本企業のわずか1パーセントであり、残りの99パーセントは気がついてさえいないのです」と述べた。

2.AIは日本の生産性を改善するか

ワファは想定される2つの“シナリオ”として、次の2つを挙げた。

「200年の歴史しかない米国が考える未来は、シナリオAが『スタートレック』のような社会、シナリオBが『マッドマックス』の世界です。・・・・・(略)。技術のリスクを理解することも重要です。リスクを知ったうえで、メリットの方がリスクを上回ることを認識して欲しいと思います。ロボットに依存し過ぎると失業より深刻な問題がありますが、一方で、日本は長い歴史をもっています。日本がかつてももっていた価値観に立ち返ってみてはどうでしょうか。日本は生産性だけではなく、国民全体がAIにより恩恵を受けること、たとえば教育や医療などにも取り組むのがよいのでしょう。さらに、たとえばこの国がもっていた悟りへと至るような世界観は、未来の仕事にも生かせると思うのです」

3.未来を生きる学び

ワファの答えは、「子どもが勉強したいことをさせるのが大切」と言う。「“常に勉強すること”を習慣づけることが重要なのです。日本でも、これから終身雇用はなくなり、一人ひとりのキャリアは5~10年で変わるものになるでしょう。その度ごとの学習を、一生続ける必要があります。・・・・・・(略)。15歳にもなれば、あっと驚くような仕事ができるようになっているかもしれません。そうした世界で生きるためには、学習することを楽しむ子どもに育てることが大切です。学びたいことをやらせるのが、いちばんなのです」

企業にて誰がAI化を担うか

ブログで以前にも書きましたが、今はAIブームということで、ちょっとした業務システムを構築するような感覚で特化型AI(以降AI化とする)の採用を考える経営層が多いようです。これは伝聞ではなく、現実に弊社(小規模企業にも関わらず)に様々な分野の企業から自社向けにコア業務をAI化できないかという打診があります。その中にはご希望が弊社の技術分野と一致しお手伝いさせていただくところまで行く案件もありますが、一致せず最初の段階でお断りさせていただく案件もあります。そういった交渉をしていく過程で気になった点があります。それは、AI化を日本独特の”SIer文化”の延長上で考え、外部に丸投げしようと考えている企業が意外と多いということです。

一般的に言われていますが、この”SIer”という言葉も業態も日本独特のことで、欧米にはないということです。欧米にあるのはソリューションベンダーで、自社が必要とするシステムを構想、設計し、ソリューションを選定し、プログラムを製造するのはほとんど自社で採用したPMもしくはSEになります。つまり日本風にいうとすべて内製することになります。
そのため、様々な現場等とのコミュニケーションをとりながらの全体を見て柔軟性がある開発が可能になると言われています。

エンジニアにとっては職業の流動性もあるので、ある会社のシステム開発のために採用されても、その開発が完了されれば、次にシステム開発を計画している会社に転職するということもあります。その際に良い実績があれば高額の報酬で採用されるということで、日本のエンジニアに比較し欧米のエンジニアの年収が高い一因とも言われています。

ところが日本ではシステム開発となると、”SIer”と呼ばれるシステム開発会社に企画、要件定義以外の業務を丸投げすることが従来より行われています。一般的に初期の企画、要件定義についても満足な形式ではなく、その曖昧さからしばしば問題が発生するため、その工程もコンサルタント会社に任せるという場合さえあります。つまり、会社のコアになるシステム開発を他人任せにするということで現在までやってきています。

それでもなんとかなっているのは、日本人の勤勉さと、馴れ合いで、「契約範疇外だけどなんとかしてよ」、「追加オーダーだけどなんとかしてよ」、「なんとか動かしてよ」、「まあしょうがないなあ・・」ということがまかり通って来たからに他なりません。

上記を今更やめましょうと言う気はさらさらありませんが、AI化でも同じ感覚はさすがにまずいでしょう、というのが懸念点です。

業務のシステム化とコア業務のAI化の大きく異なる点としては

1)AI化は出力に相関性が高い入力がないと精度が確保できない。
通常のシステム開発は、業務データ加工や業務データ連携の自動化が目的なので、主に従業員間のコミュニケーションといった陽にでている情報のデータ化、データ処理が中心になるのに対し、AI化は人間の思考過程を取り扱うものであり”陰”の動きをAI内部で実現するということになります。したがって、その入力に必要とされ、相関が高い情報は必ずしも明確でなく、できるだけ大量で場合によっては広範囲のデータが必要になります。その量や種別によって、設計や前処理作業時間も変化しますが、どれぐらいが必要か、というのは初期では判断がつかないので、外注先での作業工数の見積もりは困難と思います。

2)AI化では何をもって検収条件とするのか
システム開発では、システム要件が発注者から提示され、その要件を満足するか否かを確認する試験を実施し、それらの試験で正常に動作すれば納入、検収となります。
しかし、AIでは100%の精度を保証するのは容易ではありません。一定までの精度を確保するような学習データ量と学習期間がどれぐらい必要かといった予測すら困難です。また、交差検定という考えもありますが、それでいえることは学習データと異なるデータ群での検定ではこうなった、ということです。”かならずその精度がでる”ということは言えないです。それを発注者が理解した上で検収する必要があります。瑕疵という定義も当てはまるのか微妙ですね。

3)エキスパートなどの人間の知識、判断等の置き換えが狙いだが、当の依頼者が判断基準を説明できていないものをAI化しようとしている場合がある
コア事業をエキスパートの判断に依存していて、それをAI化したいという話がたまにありますが、そのノウハウを持っているが競争力なのに、その明示的な蓄積もなく、それをAIという更なるブラックボックスにしてしまって(しかもその作業過程を外注して)大丈夫ですか?という心配があります。精度向上や学習によるノウハウのアップデートとかをどうやってするのかとか考えないのでしょうか?

ということをつらつらと考えてみました。
弊社のようなAI化を推進しようとする会社がこんなことをいうのは自己矛盾と思われるかもしれませんが、”SI”のような考え方では継続的にAIを活用するのは難しいと考えざるをえず、各会社は自社内でAI化を推進するデータサイエンティストを採用または育成することで継続的かつ効果的に業務にAI が活用できるのではないかと考えます。

その実現に向け、”丸投げ”ではなく弊社の様なサービスをうまく組みわせてAI化を推進できるようなデータサイエンティストをそれぞれの会社が採用、育成することを期待します。

AIブームの中身

現在、日本では本格的にAIブームである。ただし、過去の80年代のブームとは異なり実際の内容的にはAIを利用するところまで行き着いていない。また、AIの研究についても過去のブームというにはほど遠い状況である。

では、どういうブームなのかというと、簡単に言うと「AIが普及することについて考えてみましょう」ブームである。この中には「AIが普及した世の中を考えましょう」や「AIはどうあるべきか」、「AIの脅威について考えてみましょう」、「AIに仕事を奪われるのでは?」というものも含まれる。ちょっと情報のアンテナを高くしていると驚くほどたくさんの、AIに関する内容を含む講演会やセミナー、シンポジウムが日々行われていることがわかる。

別に検討、議論することは悪いことではないが、Google翻訳などの一部のサービスでしか具体的に普及しているAIがない状況で、かつ、日本がAI開発で大きく遅れている状況にも関わらず、日本でAIはどうあるべきかとかAIの脅威について考えても、何ら影響を与えることもできず机上の空論に終わるのではないかという違和感を感じざる得ない。

しかも内容が、だから日本もAI研究促進しましょう、なら理解できるが、だからAI反対やAIなんてできっこない、というのは「技術革新競争から降りましょう」ということではないかと考える。

以前、知り合いのデータサイエンティストのエバンジェリストが言っていたが、「今はAIがどうとか四の五の言っているときではなくとっと研究開発をやらなければいけない時期に来ている」、ということである。

80年代は日本経済の最盛期であったこともあり、企業の研究開発費用もふんだんにあり、かつ、技術革新の元に数多くの研究者も抱えていたため、いち早く製品化もでき、研究も促進された。現在のディープラーニングの基盤になっているAutoEncoderアルゴリズムは1979年にNHK放送科学基礎研究所の研究者であった福島邦彦博士が開発したネオコグニトロンが元になっていることはあまりにも有名である。

今、議論を活発化させる必要があるのは、「AIが普及することについて考えてみましょう」ではなく「AIを普及させるために必要な研究をどう支援し、どうやってAI研究者を増やすか」だと思う。

 

日本のAIは周回遅れ…杉山将・東京大教授に聞くhttp://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170210-OYT8T50014.html

世界と同じ土俵に立てない? 1年遅れの日本のAI開発

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49271

「脳の進化的起源を解明 | 60秒でわかるプレスリリース | 理化学研究所」

「これまで段階的に進化してきたと考えられてきた、脊椎動物の脳の各領域の多が、5億年以上前という脊椎動物の進化過程の極めて早い段階に、すでに成立していたことが明らかになりました。」とのこと。

http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160216_1/digest/

経産省、IoT推進へ官民でAI専用「非ノイマン型」コンピューター開発

経済産業省は、IoT(モノのインターネット)社会実現に向け、無給電型のデータ収集端末やビッグデータ(大量データ)解析に使う人工知能(AI)専用コンピューターなどの開発に官民で乗り出す。半導体単体の性能向上が限界を迎えつつある中、次世代コンピューターである「非ノイマン型」(用語参照)という方式を採用して性能を高める。IoT産業を振興しつつ、日本の半導体産業の復権にもつなげる考えだ。3月にも公募を開始、研究開発費の半額を補助する。

2016年度予算案に新規で33億円を計上している。企業に事業委託する形とし、採択件数は10件以下となる見通し。無給電型のデータ収集端末は、太陽光や振動による発電で足りる低消費電力型であり、機器に埋め込んだままでも長時間作動し、センサー機能や情報処理を担う。端末の電子部品の回路などを見直し、大幅な消費電力削減を目指す。

AI専用コンピューターでは量子力学に基づく超高性能の「量子コンピューター」や脳神経を模したコンピューターが候補。情報端末への不正アクセスや乗っ取り対策向けの技術開発も進める。

IoTは自動運転や自動インフラ点検、遠隔医療などあらゆる分野で求められている。AIなどの技術向上はめざましいが、情報の蓄積や解析を担うハードウエア面では、半導体の回路の微細化で性能を高めるという従来の手法が限界を迎えつつあり、IoTを推進する上で「ボトルネックになる可能性がある」(経済産業省)。

そこで現行のノイマン型と異なる設計思想である「非ノイマン型」コンピューター開発を進める。また、コンピューターの基本設計が一新されれば、日本企業にとって挽回のチャンスも生まれる可能性がある。

http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20160127-09.html

リクルート、人工知能研究所として新生「Recruit Institute of Technology」が誕生。~世界的権威をアドバイザーに招聘し、グローバル規模のAI研究を開始~

株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄、以下「リクルート」)は、「Recruit Institute of Technology」(以下、RIT)を人工知能(AI)の研究所として再編し、AI分野の世界的権威を新たにアドバイザーとして迎え、リクルートグループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を開始したことをお知らせいたします。

1.新生RIT誕生の背景

リクルートは、「2020年に総合人材サービス領域でグローバルNo.1、2030年に人材領域・販売促進支援領域でグローバルNo.1」という中長期な戦略ビジョンの実現に向け、破壊的技術(Disruptive Technology)としてのAI研究に着目し、2015年4月1日より、AI分野の研究所として新生RITをスタートさせました。これに際して、AI分野の世界的権威を新たにアドバイザーとして迎え、今後は、人材領域・販促領域を中心に、海外事業・国内事業を推進するリクルートグループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を進めて参ります。

これらの研究成果を活用し、産業界と生活者を結びつける「No.1のマッチングサービス」を実現し、生活者一人ひとりのポジティブな行動を支援していきます。

2.AI分野の世界的権威がアドバイザーに就任

Tom M. Mitchell(米カーネギーメロン大学教授)

黎明期から機械学習の基礎・応用に幅広く取り組んできた代表的な研究者。機械学習の代表的な教科書である “Machine Learning”の著者であり、世界で初めて機械学習の学部を設立。これまで数多くのスタートアップを主導し、自身がファウンダーとして設立したスタートアップの一部を米国大手求人サイトのMonster.comに売却した経験を持つ。全米技術アカデミー会員、AAASフェロー、AAAIフェロー兼元理事。

Oren Etzioni(Allen Institute for Artificial Intelligence CEO 元・米ワシントン大学教授)

ウェブからの情報抽出、マシンリーディング、質問応答技術など、情報検索分野における著名な研究者。過去に設立したAIスタートアップをMicrosoftやeBayなどにバイアウトした経験を持つ。AAAIフェロー。

David M. Blei(米コロンビア大学教授)

機械学習の理論研究者であり、膨大なデータの中からパターンを見つけるための代表的な機械学習手法であるトピックモデルの第一人者。幅広い分野で応用されているトピックモデル手法Latent Dirichlet Allocation (LDA)の考案者のひとり。ACM Infosys-Foundation Award受賞(2014)

3.世界的に著名な研究組織でのAI研究

この発表に先立ちまして、リクルートはすでに米マサチューセッツ工科大学メディアラボのコンソーシアム研究所メンバーになっており、Alex ‘Sandy’ Pentland教授のもとに客員研究員を派遣してビッグデータ分析の新しい取り組みを研究し始めております。

また、米スタンフォード大学に対しても同様に、コンピューターフォーラムのメンバーとなり、Christopher D. Manning教授のもとに客員研究員を派遣して自然言語処理研究を行う予定です。

Alex ‘Sandy’ Pentland(米マサチューセッツ工科大学教授)

人間行動とセンサ、プライバシー研究を掛け合わせたビッグデータ研究に取り組む著名な研究者。シリアルアントレプレナーであり、コンピューターサイエンス領域で最も引用されている研究者。米Forbes社が選ぶ”The World’s 7 Most Powerful Data Scientists”の一人。

Christopher D. Manning(米スタンフォード大学教授)

自然言語処理、情報検索分野における著名な研究者。自然言語処理の代表的な教科書である”Foundations of Statistical Natural Language Processing”、情報検索分野の代表的な教科書である”Introduction to Information Retrieval”の著者。ACM、AAAI、ACLフェロー。

4.今後の展望

今後は世界のAI研究人材の採用を積極的に行いながら、各有識者の指導のもとAI研究を推進して参ります。また、グローバル規模でオープンイノベーションを実現していくべく、すでに米国やイスラエルのAI関連企業と協業を開始しており、これらの結果についても順次報告していく予定です。さらに、その他世界各国の研究機関との共同研究やIoT領域での事業開発も順次予定しております。

RITの今後に、どうぞご期待ください。

http://www.recruit.jp/news_data/release/2015/0415_15754.html

人工知能搭載型ロイヤリティ・アプリ『Tamecco』 「吉野家」店舗でのサービス提供を開始

株式会社吉野家(本社:東京都北区、以下吉野家)とタメコ株式会社(本社:東京都港区、以下タメコ)は業務提携契約を締結し、4月1日(水)から東京・埼玉の「吉野家」店舗にて、人工知能搭載型ロイヤリティ・アプリ『Tamecco』を利用したお客様への吉野家独自の来店ポイントや特典、およびクーポンの配信サービスを開始いたします。
■「その場その時その瞬間にもらって嬉しい特典」をスマホにお届け
東京・埼玉の201店舗で先行導入、今夏までに関東圏に展開

今回の業務提携では、4月1日(水)より東京・埼玉の「吉野家」店舗171店に先行して導入し、『Tamecco』アプリユーザー限定のクーポンや来店ポイントを提供します。また、「吉野家」店舗にて『Tamecco』アプリの共同プロモーションを展開いたします。今後、導入店舗を拡充し、今夏までに関東圏でのサービス提供を目指します。

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000012804.html

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人工知能搭載型ロイヤリティ・アプリ『Tamecco』
タメコは、独自に開発した高度な人工知能を搭載したモバイルアプリを展開しています。スマホ端末機種をほぼ問わない、業界屈指のユーザー行動トラッキング技術を併用することで、 「スマホ操作なしでも、普段通りに来店するだけで来店ポイントを自動取得」 「ユーザー1人1人の好みに合わせた特典やクーポンを取得」といった利便性の高いサービスを提供しています。ユーザーの属性、消費行動パターンおよび位置情報のビッグ・データ分析を行い、さらに様々なソーシャルネットワークと連動させることで、消費者には「その場その時その瞬間にもらって嬉しい特典などのパーソナルコンテンツ」を、あらゆる業態の小売事業者にはパーソナル販促・集客ツールを提供し、事業の全国展開を目指しています。

シンギュラリティ・サロン「第3回公開講演会」開催のお知らせ

シンギュラリティ・サロン「第3回公開講演会」が、次の通り開催されます。

日時 2015年4月18日(土)14:00- 15:30
場所 グランフロント大阪・ナレッジサロン・プロジェクトルームG/H(アクセスはこちら
題目
14:00-15:00 講演「ヒト型AIは人類にどのような影響を与えうるか」一杉裕志 (独立行政法人 産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門)
15:00-15:30 自由討論
(講演・自由討論の配分は、当日の状況にあわせて調整します)

定員 36名(先着順。申し込み多数の場合は、悪しからずお断りする場合があります。)
※入場料無料 ご来場の際はナレッジサロン入り口でお迎えしますので、入口ロビーでお待ちください。

講演概要
ヒトの脳全体の情報処理アーキテクチャ(全脳アーキテクチャ)を模倣することによって実現された汎用人工知能を、「ヒト型AI」と呼ぶことにする。ヒト型AIは、実世界とインタラクションし、自律学習・自律行動をする知的エージェントである。
計算論的神経科学の進展,機械学習技術の成熟、計算機速度の向上等により、遠くない将来にヒト型AIが出現する可能性が高まってきている。この技術が出現した時、どのような形で運用され、その結果、経済、人口動態、政治形態、倫理は長期的にはどう変化し得るだろうか。また、生物種としての人類はどのように変貌していくのだろうか。
筆者がヒト型AIの実現を目指す研究を続けてきた過程でたびたび受けてきた質問と、それに対する筆者の現時点での考えを述べる。

講演申込み
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「シンギュラリティを語る会」について

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能の能力が人類のそれをはるかに超える出来事または時点と定義され、それ以降の人類の歴史は予測できないとされています。またその時点で人工知能の能力が爆発的に進化する知能爆発が起きるとも言われています。

本会ではシンギュラリティに関する公開講演会や勉強会を定期的に行い、シンギュラリティを様々な側面から議論することによって、主として専門家と一般市民の意識改革を行うことを目指しています。

(詳しくは設立趣旨へ)