携帯料金の値下げについて(個人的雑感)

現政権になって携帯料金の値下げの圧力が大手3社にかかっている。この動きについて、利用者としては望ましいことと思っているが、いろいろと腑に落ちない疑問がある。(素人の疑問です)

1.これってデフレの動きに影響しないの?
 前政権では、目標としてデフレを脱却するというのを掲げていたと記憶している。ここで携帯料金の値下げをしたら、携帯会社側では原価低減化の動きが起こり、結果、関連産業で賃金低下となり、消費が冷え込むのでは?一部の分野だけだからいいのか?

2.格安スマホ企業の立場は?
 格安スマホ企業(大手の小会社以外の会社)は、いろいろ工夫をして価格差があるスマホを提供してきたのに、大手が値下げをすることで魅力が薄れるのではないか?MVNOの使用料金もさげるのか?

3.大手の発表内容って、これ値下げ?
 今の段階で見ていると、大手(現時点でドコモは未発表)の戦略は、自社もしくは小会社による低価格のメニューの提供であるが、これを値下げというのか?なぜ、現在のメニューの価格を下げるのではなく、新しい低価格メニューの発表なのか?(現行メニュー同様にいろいろオプションを薦めて契約させ、結局サービス内容をわかりにくくするだけでは?)
 

AVRI(自動運転対応指数)

AVRIをご存知であろうか?AVRIはAutonomous Vehicles Readiness Indexの略称であり日本語では自動運転対応指数というものである。AVRIは世界四大監査法人の一つであるKPMGインターナショナルが毎年発表している30の国と地域を対象とした自動運転に対する準備状況を指標化したデータである。KPMG Japan(https://home.kpmg/jp/ja/home/media/press-releases/2020/08/avri2020.html)の表記を引用すると

「本調査は、28の指標を用いて30の国と地域を評価し、AVの展開とイノベーションを進めるうえでの準備状況を評価しています。指標は政策と法律、テクノロジーとイノベーション、インフラストラクチャー、消費者の支持という4つを柱として編成されています。本調査は2020年1月~5月にかけて行いましたが、多数の指標を用いているため、一部の内容は、当該期間の以前もしくは以降の内容を含んでいます。2020年自動運転車対応指数に関する情報については、Autonomous Vehicles Readiness Index (AVRI) のサイト(英語版)をご覧ください」

となっている。上記にKPMG Japanサイトには2020年の上位10カ国と日本を昨年の順位を比較した表が示されており。それによると日本は昨年より順位を一つ下げ11位となっている。

上記Autonomous Vehicles Readiness Index (AVRI) のサイト(英語版)のレポートによると日本の評価は以下のようになっている。Technology and innovationは自動運転に関する特許数が1位であることが評価された結果であり、Infrastructureは携帯電話向け電波4Gのカバレージが広いことや道路の整備状況が良い、ドライバーのマナーが良いことが評価されている。一方、Policy and legislationやConsumer Acceptanceは自動運転を推進するような政策や法律整備が上位国に比較して遅れていることが指摘されている。また、日本のレポートには、日本特有の狭く入り組んだ道やトンネルにおける課題解決や、IoTエンジニアやAIエンジニが不足していることも指摘されている。

  • Policy and legislation 18位
  • Technology and innovation 3位
  • Infrastructure 6位
  • Consumer Acceptance 18位

最近興味があるもの

このブログを再開して、今日で4日目である。とりあえず三日坊主は免れたようである。今日は軽めの記事となるが、今後の記事の前置きとして、最近私が興味があるものを書きたい。

  1. Transformer技術の応用
  2. 深層強化学習の応用
  3. AIとVRの融合

1は、これまでも触れてきた、2018年より急速に進化しているTransformerが、自然言語を超えた分野でどのように応用されていくか、また、各分野をどのように進化させるかということである。この点については、弊社にもいろいろ相談がきており第三者というよりは開発の張本人として考えていきたい。

2は、教師信号を必要とする教師あり学習、教師信号がなくても大量のデータから抽象化された情報を学習する教師なし学習とは異なり、全体の流れ、挙動の結果から最も良い結果となる方策を学習する強化学習についての現在の状況を知りたいと考えている。

3は、単純に最近、Oculus Quest2を購入したからである。まだ、ちょっとゴーグルが重いので長時間の装着に難点があるが、没入感については満足である。これでゲーム以外のコンテンツが揃えば市場が大きく成長していくと思われる。VRとAIを組み合わせることで、VR環境でシミュレート/経験し、大量にデータ得て学習を行うことで、今までにないAIを構築することが可能となるなどが考えられる。

Microsoftが世界トップクラスの言語モデル「GPT-3」の独占的ライセンス取得を発表

ちょっと前の情報だが、MicrosoftはGPT-3の独占的ライセンスを取得したことを発表した(2020年9月22日)。https://blogs.microsoft.com/blog/2020/09/22/microsoft-teams-up-with-openai-to-exclusively-license-gpt-3-language-model/

「GPT-3」とは、Tesla motorやSpaceXの創業者であるイーロン・マスクが出資者として名を連ねる団体のOpenAIが開発し公開している言語モデルであり、GPT-3は、transformerとunsupervised pre-trainingという2つの技術を組み合わせた GPTのバージョン3を指している。

Googleが開発しているBERTと競って言語モデルのSOTA(State Of The Art:最高水準)を更新しているモデルである。特に、GPT-2が公開された際には、大量のデータを用いて訓練生成したモデルは、フェイクニュースなどで悪用される恐れがあるという理由で公開されず、OpenAIの設立趣旨に反するのではないかとの議論になったほど優れたモデルである。

GPT-3は1,750億のパラメータによって構成されているため、個人や一般企業が新たにモデルをチューニングすることは現実的ではなく、OpenAIが提供するAPIを介して”利用”するということが現実的である。つまり転移学習のベースモデルとして利用することが想定される。

このモデルを用いることで言語における単語の出現を予測することが可能となり、ある単語の後に続く一番もっともらしい単語・文章の予測生成が可能となる。たとえば、ある記事の見出しを与えるだけで、その後に続く長い文章を高精度で生成することができる。transformer技術は言語だけでなく、画像や作曲などの”順序”が重要な要素となる分野においてもSOTAを更新しつつあり、transformerを応用したモデルであるBERTやGPT-3の応用が始まっている。

MicrosoftはOpenAIとパートナーシップを結んでおり、今回の独占的ライセンス取得はその流れによるものと思われる。Microsoftは6月にリリースしたAzureホストAPIにてGPT-3を提供すると発表している。今回の取引による、OpenAIのAPIサービスには影響はなく、これまで通り、OpenAIのAPIを介したGPT-3の利用も継続利用可能とOpenAIからコメントされている。

サーシャはプログラミングが大好き 

今日、ふらっと近所の本屋に入ってプログラミン専門書コーナーを見ていると、「サーシャはプログラミングが大好き コーディングと出会った少女の物語」という薄い本が目に入った。

この本はアメリカのサーシャ・アリエル・アルストンという21歳の大学生の女性が、アメリカ(でも!)STEM(科学、技術、工学、数学)分野に興味を持つ女子高校生が1%に満たないことを危惧し、子供のころからコーディングに関心を持ってもらうように執筆した短編の本である。ほんとに薄く20分もあれば完読できるぐらいで、ストーリーも「物語」という割に単純で、サーシャというワシントンDCに住む小学生の女の子が、大手IT企業のエンジニアの母親のすすめでサマーキャンプでコーディングを学び、プログラムをつくる喜びを知る、という話である。

なぜ、この本を読もうと思ったかというと、パラパラと眺めたときに目に入った次のキーワードが日本のプログラミング教育にも必要だなあと思ったからだ。

  • C(Communicate) 伝える
  • O(Organize)まとめる
  • D(Demonstrate)やってみせる
  • E(Express) 表現する

C,O,Dについてはコンピュータと人間のやりとりを示すキーワードだが、Eについてはプログラミングする目的に関する内容であり、文中では母親がサーシャに

「Eは『Express(表現する)』を意味するの。パソコンが、あなたが教えたことを間違えず正確にやることを覚えたら、あなたはあなたが作ったものや解決した問題を誰かと共有することができるの。それってすばらしいと思わない?」

と教えている箇所がある。この「誰かと共有する」というのはGithubなどを使って仕事をしているエンジニアには常識となっている考え方だが、それを「すばらしいと思わない?」という言葉とともに教えるのは非常に、これから始める小学生のプロラグミングにも必要な考えだと思う。

私がが大学で学んだプログラミングでは、コーディング結果を「出力して」確認し、想定通りに動作したらそれで終わり、単位が取れるということしか学べず、「表現して誰かと共有する」というところまでは行かなかった。

これからプログラムを学ぶ小学生には、コンピュータを使って自己表現し、その思いを誰かと共有するためにコーディングをするということを理解して欲しいと思った。

機械学習初心者向け講座

言い訳に過ぎないが、今年は、コロナ禍であっという間に時間が過ぎてしまった感がある。前回の記事からもう9ヶ月も空いていた。この期間は、淡々と業務をこなすだけで過ぎてしまったなあと反省している。

数ヶ月前に知り合いから、時間に余裕がでてきたので機械学習の入門的なオンライン講座をじっくりと受けてみたい、何か良い講座はないか?という相談を受けた。数学についてはあまり詳しくはない、プログラムについても基礎的なスキルしかないということだった。

これだけブームになっているので世の中にはいろんな講座があるが、数学的な背景を説明せず、さらっとではなくじっくりと基礎的な事項に関して講義として、私はcourseraというサイトでスタンフォード大学が提供しているMachine Learningの受講を推薦した。

推薦理由としては、

  • 講師はAndrew NgでAI分野では著名な研究者
  • 機械学習の基礎的な内容が11週間分のカリキュラムでじっくり学べる
  • 5分〜15分程度の動画で説明されるので、隙間時間を使って効率よく学べる
  • 動画の途中に1,2問の簡単なチェックテスト、1週の終わりに5問のチェックテストがあり、合格しないと先に進めない(トライは何度でもOK)ため適度な緊張
  • プログラミング課題があり知識だけでなく実際に経験できる
  • 講義は英語(ボランティアによる日本語訳字幕もある)
  • このコースは無料(修了証発行は有料)
  • 内容的には、入門的な基礎知識だけでなく、学習で精度が悪い場合の原因・対策の分析手法についても講義があり実務的な基礎も学べる
  • 主な機械学習の適用例のロジックについても講義があり実務的である
  • プログラミングは、MATLABまたはOCTAVE(free)で実装する必要がある。(オフレコ:受講経験者が多くネットには、課題の実装コードが上がっているので、プログラミングが苦手でもいざというときは大丈夫!!)

とざっとあげられる。英語が苦手とか、プログラミングがああ、という人にもそれなりに打つ手があるので、機械学習のエッセンスを学びたくて時間が1週間で5〜6時間ぐらい確保できるという人には絶対おすすめだ。