技術の進化は想像以上に加速している

前回の記事で、ついに”AIによって職を失う”ということが現実味を帯びてきたという内容を記載した。これは、世間一般に考えられているよりも、かなり速いタイミングで現実味を帯びてきていると言える。世界中で技術の開発競争が行われており、その結果だとも言える。

本日、その進化速度が更に速くなると思われるニユースが海外から入った。半年に一度6月、11月に行われているスーパーコンピュータのランキング「Top500」でこの11月に日本のベンチャー企業であるPEZY COMPUTERが開発した暁光(ぎょうこう)が世界で4位の計算速度になったということである。当然、日本では1位の計算性能である。おそらく、消費電力あたりの性能では世界1位になるのは確実であると思われる。

PEZY COMPUTERがスーパーコンピュータの開発を開始したのが2014年であるから、わずか3年強で世界有数の計算処理性能を有するスーパーコンピュータを開発したわけである。

これは、優秀な頭脳に、機会や資金、メンバー等のリソースを投入すれば、これまでの常識を遥かに凌ぐスピードで技術革新が可能となる例の一つとも言える。

他の例では、AlphaGOを開発し、直近では教師あり学習なしでそのAlphaGOを簡単に超越するAlphaGO Zeroを開発してしまったDeepMindもその一つである。

このような動きが世界中、特に、米中で活発に進められており、いつ我々の生活を大きく変える技術革新が行われるかわからないという今の世の中である。

スパコン世界ランキング、日本のベンチャーが4位に躍進 海洋研究開発機構の「暁光」

http://www.sankei.com/economy/news/171113/ecn1711130024-n1.html

 

ついに始まったAIとの競争

ここ数年、”AIによって奪われる職業”などの議論で盛んになっていたAIとの競争の可能性だが、ここ最近の国内の新聞記事やMIT Tech Reviewなどを見ると、ついに始まったなという感じを禁じ得ない。しかも、過去の経済の不景気では雇用に対する影響が少なかった、銀行業界やIT業界に先に影響がでつつあるというのが特筆すべきである。ある意味、この業界はAI技術に関する情報を数多く有しているため、その経営層はその可能性にかけていち早く競争に強い体力をつけてしまおうという戦略かもしれない。

3銀行大リストラ時代 3.2万人分業務削減へ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22847550Y7A021C1EA3000/

 

「AIはすでに仕事を奪っている」、元グーグルの中国トップが明言」

講演者の一部は、AIが新しいビジネスや産業を生み出し、破壊する以上に多くの雇用を創出すると考えている。だが、李CEOはそのような楽観的な意見に賛同しない。

「多くの楽観主義者は、技術革命によってなくなる仕事があれば、新しく生まれる仕事もあるだろうと話します。AIによって雇用が創出される場所もあるでしょうが、それは例外だというのが私の意見です」。

Is Technology About to Decimate White-Collar Work?

自動化で沈みゆくインド、IT業界が斜陽産業になる日

IT産業を調査しているHfS研究所の2016年の予想によれば、インドでは2021年までに自動化によって48万人の雇用が失われるという。インフォシスのビシャル・シッカCEO(最高経営責任者)は今年3月、「座していたら、私たちの仕事は間違いなく人工知能(AI)に乗っ取られてしまう。これからの10年、いやもしかするとそれ以内に、現在の仕事の6割から7割はAIに取って代わられるだろう。そうならないためには自己改革を続けるしかない」と語った(シッカCEOは8月に辞職した)。

India Warily Eyes AI