リクルート、人工知能研究所として新生「Recruit Institute of Technology」が誕生。~世界的権威をアドバイザーに招聘し、グローバル規模のAI研究を開始~

株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄、以下「リクルート」)は、「Recruit Institute of Technology」(以下、RIT)を人工知能(AI)の研究所として再編し、AI分野の世界的権威を新たにアドバイザーとして迎え、リクルートグループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を開始したことをお知らせいたします。

1.新生RIT誕生の背景

リクルートは、「2020年に総合人材サービス領域でグローバルNo.1、2030年に人材領域・販売促進支援領域でグローバルNo.1」という中長期な戦略ビジョンの実現に向け、破壊的技術(Disruptive Technology)としてのAI研究に着目し、2015年4月1日より、AI分野の研究所として新生RITをスタートさせました。これに際して、AI分野の世界的権威を新たにアドバイザーとして迎え、今後は、人材領域・販促領域を中心に、海外事業・国内事業を推進するリクルートグループ各社と連携したグローバル規模のAI研究を進めて参ります。

これらの研究成果を活用し、産業界と生活者を結びつける「No.1のマッチングサービス」を実現し、生活者一人ひとりのポジティブな行動を支援していきます。

2.AI分野の世界的権威がアドバイザーに就任

Tom M. Mitchell(米カーネギーメロン大学教授)

黎明期から機械学習の基礎・応用に幅広く取り組んできた代表的な研究者。機械学習の代表的な教科書である “Machine Learning”の著者であり、世界で初めて機械学習の学部を設立。これまで数多くのスタートアップを主導し、自身がファウンダーとして設立したスタートアップの一部を米国大手求人サイトのMonster.comに売却した経験を持つ。全米技術アカデミー会員、AAASフェロー、AAAIフェロー兼元理事。

Oren Etzioni(Allen Institute for Artificial Intelligence CEO 元・米ワシントン大学教授)

ウェブからの情報抽出、マシンリーディング、質問応答技術など、情報検索分野における著名な研究者。過去に設立したAIスタートアップをMicrosoftやeBayなどにバイアウトした経験を持つ。AAAIフェロー。

David M. Blei(米コロンビア大学教授)

機械学習の理論研究者であり、膨大なデータの中からパターンを見つけるための代表的な機械学習手法であるトピックモデルの第一人者。幅広い分野で応用されているトピックモデル手法Latent Dirichlet Allocation (LDA)の考案者のひとり。ACM Infosys-Foundation Award受賞(2014)

3.世界的に著名な研究組織でのAI研究

この発表に先立ちまして、リクルートはすでに米マサチューセッツ工科大学メディアラボのコンソーシアム研究所メンバーになっており、Alex ‘Sandy’ Pentland教授のもとに客員研究員を派遣してビッグデータ分析の新しい取り組みを研究し始めております。

また、米スタンフォード大学に対しても同様に、コンピューターフォーラムのメンバーとなり、Christopher D. Manning教授のもとに客員研究員を派遣して自然言語処理研究を行う予定です。

Alex ‘Sandy’ Pentland(米マサチューセッツ工科大学教授)

人間行動とセンサ、プライバシー研究を掛け合わせたビッグデータ研究に取り組む著名な研究者。シリアルアントレプレナーであり、コンピューターサイエンス領域で最も引用されている研究者。米Forbes社が選ぶ”The World’s 7 Most Powerful Data Scientists”の一人。

Christopher D. Manning(米スタンフォード大学教授)

自然言語処理、情報検索分野における著名な研究者。自然言語処理の代表的な教科書である”Foundations of Statistical Natural Language Processing”、情報検索分野の代表的な教科書である”Introduction to Information Retrieval”の著者。ACM、AAAI、ACLフェロー。

4.今後の展望

今後は世界のAI研究人材の採用を積極的に行いながら、各有識者の指導のもとAI研究を推進して参ります。また、グローバル規模でオープンイノベーションを実現していくべく、すでに米国やイスラエルのAI関連企業と協業を開始しており、これらの結果についても順次報告していく予定です。さらに、その他世界各国の研究機関との共同研究やIoT領域での事業開発も順次予定しております。

RITの今後に、どうぞご期待ください。

http://www.recruit.jp/news_data/release/2015/0415_15754.html

オープンソース版Siri

AppleやMicrosoft以外の企業も新しいオープンソースのソフトウェアを用いて、それぞれ独自のバージョンのSiriの様なアシスタント機能を作成することが可能になった。そのソフトウェアは、Sirius。AppleのSiriをもじったものだ。

3月にトルコで開催された「プログラム言語およびOS向けアーキテクチャサポートに関する国際会議」にて、ミシガン大学の研究者らがSiriusについてのプレゼンテーションを行った。

「Siriusとは、音声認識、画像マッチング、自然言語処理および質疑応答システムなどのIPA(インテリジェントパーソナルアシスタント)の中心的機能を果たすものである」と研究成果を記載した新たな学術論文で研究者らは述べた。このシステムは、モバイル端末から質問や命令を受け、サーバー上で情報を処理し、モバイル端末上に音声で返答してくれる。

スタートアップの中には独自のスマートアシスタントの開発に躍起になっているところもあるが、まだAppleやGoogle、Microsoftに対抗できる企業はない。Siriusが登場したことでこうした状況は変化する可能性がある。

研究者らは「商用レベルのシステム」の実現を図った。実際、Siriusの音声認識コンポーネントには、人工知能の手法としてトレンドになってきているディープラーニング(深層学習)が組み込まれている。ディープラーニングとは大量のデータを深いレベルのニューラルネットワークに学習させ、その知識に基づいて新しいデータについて推定させるものだ。

研究者らはパーソナルデジタルアシスタントについて記載しているが、それに加えて、Siriusのような複雑な負荷を扱うのに最適なサーバーチップはどれかを決めるテストも行った。

「GPUやFPGAアクセラレータを使用したサーバーでは、クエリ実行のレイテンシを平均して10倍および16倍低くできることを証明している」と彼らは記し、「レイテンシを低くすることで、GPUやFPGAアクセラレータを使用したサーバーのTCO(総所有コスト)をそれぞれ2.6倍と1.4倍減らすことができる」と続けた。

研究者らが無償のオープンソース版Siriを開発

https://github.com/jhauswald/sirius

 

「Amazon Machine Learning」発表。クラウドで機械学習サービスを提供

Amazonクラウドはクラウド上で機械学習を提供するサービス「Amazon Machine Learning」。

これはAmazon社内でデータサイエンティスト達が使っているのと同じものと説明されており、既存のデータ群から適切な機械学習モデルを作りだし(データからパターンを学習し)、そのモデルを新しいデータに適用して予測などを行っていくというもの。高いスケーラビリティで日々何十億もの予測を行う能力を備え、リアルタイムに予測を生成できるとされています。

Amazon Machine Learningのページでは、特長として5つの要素が示されています。

1つ目は、既存データをAmazon S3やRedshift、Amazon RDSなどから簡単に読み込んで学習させることができること。

2つ目は、数秒でモデルを作成し、予測までできること。

3つ目は大規模な機械学習処理も高速に行える性能

4つ目は利用した分だけの安価な利用料

5つ目はすでにAmazon社内で実績のあるテクノロジーであること。

利用分野の例としては、不正検知、コンテンツのパーソナライゼーション、マーケティングキャンペーンの分析、文書解析、カスタマサポートの情報提供の自動化などの要素が挙げられています。

http://blogos.com/article/109803/