日本のソフト開発構造では機械学習ソフト開発は困難

昨日、機械学習ソフト開発のフローという記事を書いた。すると、偶然、「AI開発ミステリー ~そして誰も作らなかった~」 とある大手製造業の怖いハナシ (1/5)という記事を見つけた。まさに、ここに書いてあることを実際に体験しつつあったということである。

 この記事に記載されていることは、機械学習ソフト開発プロジェクトに限らずこれまでのIT開発プロジェクトで繰り返されてきた光景である。これが繰り返されてきた原因は、日本の雇用環境と密接に関係している。ユーザ企業は不定期業務であるIT開発プロジェクト向けにITに詳しい社員を雇用したくない、大手SIerは利幅を大きくしたいので同じく開発要員を定常的に雇用したくない、下請けも同様の理由で受注はするけど開発は・・・したくない。ということでピラミッド構造、つまり、小規模の開発会社またはフリーランスが開発を請負いリスクを負うという構造である。

機械学習ソフト開発も同じ構造でいけるか?というと話はそう簡単ではない、何度かこのブログでも書いたように、機械学習ソフトの開発はプログラミング技術だけでなく、高度な数学理論を理解し課題を解決可能なアルゴリズムを選定していくという要素が重要であるため、適任者が日本国内に非常に少ないという状況であるからである。現在、大学でもカリキュラムを見直しデータサイエンスに強い学生を社会に送り出していくので増えていくと考えるが、産業界の需要も増大していくので定常的な枯渇状況になるのではないかと予想される。AIが急激に進化し、AIが自ら設計、開発できるようになれば話は別であるが、その様になるまで後10〜30年はかかるであろうから、それまでどうするかというのが喫緊の課題である。

ということで、お困りの場合は大手SIerに相談するのではなく、是非弊社にご相談下さい(PRでした(笑))。