ここ最近、自動運転を支える技術について投稿しているが、今回は、自動運転を実現するまでの過程を明確にする、自動化のレベル定義について紹介する。この定義は、自動運転に関する情報サイトには掲載されており、一般的に引用されるので知っておきたいところだ。完全自動化に向けての過程は以下の5つのレベルに分けて定義されている。
現状の自動運転のレベルは、レベル2からレベル3への過渡期 となっているようである。日本ではレベル2以下の自動車は「自動運転機能」の表示ではなく「運転支援機能(ADAS)」と表示することでメーカーと国土交通省で合意があり、最近ではADASを搭載車の一部はサポカーと呼ばれている。
レベル3の定義をわかりやすく言うと、ある場面に限定しすべて自動で運転(加減速、操舵)できるが、運転手は自動運転の障害発生を監督し、障害があると思った場合または自動運転システムが運転手の介入を要請した場合、運転を交代する、程度の自動化である。もうじき販売されるホンダのレジェンドのレベル3は、高速自動車道路での運転に限定した機能である。
世界初のレベル3の市販車として2017年にドイツのアウディA8が発表されたが、実際には販売されておらず、実際に市販される製品としてホンダのレジェンドが世界初になる。 BMWは2021年にレベル3量産へという計画も以前発表されているため、来年以降本格的な自動運転時代が到来することが予想される。
レベル4は、自動運転場面は限定されるが、障害発生時に運転手の介入を要求しないということであり、レベル5は完全自動運転(場面を限定しない)である。レベル4までは、運転手が運転する場面があるため、現状の操作デバイス(ハンドル、アクセル、ブレーキなど)は装備するが、レベル5になると、運転する場面が想定されないため、SFやコンセプトカーなどに見られるようにハンドルも、アクセル、ブレーキもない車両になる。
レベル0(運転自動化なし):運転者が全ての動的運転タスクを実行(予防安全システムによって支援されている場合も含む)
レベル1(運転支援):運転自動化システムが動的運転タスクの縦方向(進行方向)又は横方向(操舵方向)のいずれか(両方同時ではない)の車両運動制御のサブタスクを特定の限定領域において持続的に実行。この際、運転者は残りの動的運転タスクを実行する事が期待される 。
レベル2(部分運転自動化):運転自動化システムが動的運転タスクの縦方向及び横方向両方の車両運動制御のサブタスクを特定の限定領域において持続的に実行。この際、運転者は動的運転タスクのサブタスクである対象物・事象の検知及び応答を完了し、システムを監督する事が期待される 。
レベル3(条件付き運転自動化):運転自動化システムが全ての動的運転タスクを限定領域において持続的に実行。この際、作動継続が困難な場合への応答準備ができている利用者は、他の車両システムにおける動的運転タスク実行システムに関連するシステム故障だけでなく、自動運転システムが出した介入の要求を受け容れ、適切に応答することが期待される。
レベル4(高度運転自動化):運転自動化システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を限定領域において持続的に実行。作動継続が困難な場合、利用者が介入の要求に応答することは期待されない
レベル5(完全運転自動化):運転自動化システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を持続的かつ無制限に(すなわち、限定領域内ではない)実行。作動継続が困難な場合、利用者が介入の要求に応答することは期待されない。