最近、自動運転について投稿をしてきたが、最後に自動運転アルゴリズムのオープンソース化の流れについてまとめてみる。
自動運転という技術は、その対象である自動車がなくては実現不可能な技術であるため主な開発企業はToyotaやAudi,BMWなどの伝統的な自動車メーカーである。しかし、自動運転アルゴリズムは、人間の認知機能の代替手段であるため、自動車の動作原理や動的特性、制御機構とは切り離して考えることが可能である。したがって、Googleのような情報処理を取り扱う企業、Teslaのような電気自動車会社でも開発が可能である。自動車メーカーとは異なる組織によって開発された自動運転アルゴリズムの一部はオープンソースとしても公開されている。
Autoware(名古屋大,TierⅣ etc.)
- AutowareはROSベースのオープンソースソフトウェア
- 自動運転移動体をオープンシティエリアに展開することを可能するモジュールを提供
- 位置特定 :GNSS およびIMUセンサーを組み合わせた3Dマップ及び SLAMアルゴリズム によって実現
- 物体検出:センサーフュージョンアルゴリズム、ディープニューラルネットワーク(YoLo,SSDなど)を備えたカメラとLiDARを使用
- 予測と計画: 確率論的ロボティクス とルールベースシステムに基づく(一部にディープラーニングを利用)
- 車両への出力:車両制御系への入力となる速度と角速度(舵角)
- Autowareは自動運転技術のための完全なソフトウェアスタックを提供
Apollo(Baidu etc.)
- AutowareはROSベースのオープンソースソフトウェア(最新版はBaidu独自のCyber RTに移行)
- Apolloは、パートナーが車載およびハードウェアプラットフォームを通じて独自の自律走行システムを開発するための、オープンで信頼性の高い安全なソフトウェアプラットフォームを提供
- Apolloが提供するモジュール
- 世界をリードするHD地図サービス
- 唯一のオープン自律運転シミュレーションエンジン
- End-to-Endディープラーニングアルゴリズム
- Apolloは自律走行車の開発、テスト、そして展開を加速する。参加が増えるにつれて、より多くの蓄積データが利用可能
- クローズドな研究開発系と比較してApolloはより早く進化し、プロジェクトメンバーにより大きな利益をもたらし、そして継続的に成長
NVIDIA® DriveWorks(NVIDIA)
- Drive OS
- DRIVE OS には、センサー入力処理のための NvMedia、効率的な並列コンピューティング実装のための NVIDIA CUDA® ライブラリ、リアルタイムに AI 推論を行うための NVIDIA TensorRT™ など、ハードウェア エンジンにアクセスするための開発者向けのツールやモジュールが含まれる
- DriveWorks
- 自動運転車開発に欠かせない、DRIVE OS 上で動作するミドルウェア機能を提供。DriveWorks には、センサー抽象化レイヤー (SAL) やセンサー プラグイン、データ レコーダー、車両 I/O のサポート、ディープ ニューラル ネットワーク (DNN) フレームワークが含まれる。DriveWorks はモジュラー型かつオープンで、自動車産業のソフトウェア規格に準拠するように設計されている。
- Drive AV
- DRIVE AV ソフトウェア スタックは、認知レイヤー、マッピング レイヤー、プランニング レイヤーのほか、高品位な実世界の運転データでトレーニングされたさまざまな DNN で構成されており、自動運転とマッピングのどちらにも活用可能。プランニングと制御のレイヤーでは、NVIDIA Safety Force Field™ 計算処理モジュールが、プライマリ プランニング システムのアクションをチェックし、車両を衝突から守る。
- Drive IX
- DRIVE IX は、車室内をセンシングするオープン ソフトウェア プラットフォームで、革新的な AI コクピット ソリューションを提供する。DRIVE IX は、先進のドライバーおよび搭乗者モニタリング、AR/VR ビジュアライゼーション、車両と搭乗者間の自然言語インタラクションを実現する機能や DNN を使用した、認知アプリケーションを提供する。